time ～戻れない時間～

三年生…体育祭も文化祭も最高すぎてボロ泣きだった。
ロミオとジュリエットの劇をした私たち。
私はジュリエットの役でほんとに大変だったけど最後はみんなに色紙をもらって化粧がぼろぼろになった。

私の隣にいるのは春二だった。
１年も２年も同じクラスになれなかったのに最後の最後に私と彼は同じクラスになった。劇は当たり前のように私たちが主人公をやらされたっけ。

屈託ない笑顔で笑う彼…。

私はあまりにも苦しくてアルバムを閉じようとした。
そしたらヒラヒラと写真が一枚落ちてきた。
最後の最後にとった写真。彼は幸せに微笑み私は苦笑いだった。

彼はまだこの時私が振ることなんて知るよしもなかったはずだから。
私はこの日、彼にさよならをした。すごく後悔している。そのことに気付いたのは彼から離れてからだった。

私は彼と出会ったころを思い出していた。