time ~戻れない時間~
episode*2

彼との出合いは最悪だった。でもあの日があったからこそ私たちが居たんだと思う。あの日、あそこで出会わなかったら私たちは言葉を交わすことなく卒業したのかもしれない。

「「おばちゃん、唐揚げ!」」
同じセリフをする方を見上げた。私も相当な剣幕でにらんでいるだろうが彼も負けじと睨んでくる。

さっきおばちゃんが唐揚げラストという声で私はすぐに席を立って唐揚げを頼みに行ったのに…この男誰だよ!

「私が先に言ったんですけど!!」
「はぁ~?俺の方が先だったろ?!」
「いーや。私が先だった!!」
「ふざけんな!!俺が先に言った!!」

私たちが注文の前で喧嘩を始めるもんだから皆の注目の的。
汐莉か心配してでてきてくれた。

「どうしたの??」
「私が先に唐揚げって言ったのにこいつが」
私は汐莉にそう説明しながら目の前にいる男を指差す。

「はぁ?!俺の方が先だったって言ってやってるだろ!!」
「ムッカ!!何、その上目線!?むかつくんですけどー」
私は腕組みをして男を思いきりにらんだ。

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