急性大好き症候群
「……悪いかよ」
「全然。むしろ一番しっくりきた感じ?」
「私も。空手やってる太一くん……超かっこいい~」
美紗が妄想の世界に入ったらしく、目が上を向いて頬が紅潮している。
「すごいね。強いの?」
「県で優勝。全国行き決めた」
「あっさりすごいこと喋んなよ……」
うん。空手やってる太一くん絶対かっこいいだろうな。
「でも、うちの中学の空手部って、うちらの代で廃部寸前じゃなかった?」
「そうそう。活動してるとこ、一回も見たことなかったけど」
「俺たちの代が十人くらい入ったんだよ。そのまま一気に加速」
「なるほど。太一くんが部長か」
「まあな」
うん。納得。
「裕也~、飲み物買ってこうよ~」
「んなこと言って、まーた俺に買わせる気だろ」
「あは。バレたあ~?」
「いいよ。買ってやる」
「やった!」
ざわめきの中なのに、いきなりそんな会話が、あたしの耳に入ってきた。
裕也?
声のする方へ振り向く。
さっきとは別の意味で、心臓が跳ねた。
「全然。むしろ一番しっくりきた感じ?」
「私も。空手やってる太一くん……超かっこいい~」
美紗が妄想の世界に入ったらしく、目が上を向いて頬が紅潮している。
「すごいね。強いの?」
「県で優勝。全国行き決めた」
「あっさりすごいこと喋んなよ……」
うん。空手やってる太一くん絶対かっこいいだろうな。
「でも、うちの中学の空手部って、うちらの代で廃部寸前じゃなかった?」
「そうそう。活動してるとこ、一回も見たことなかったけど」
「俺たちの代が十人くらい入ったんだよ。そのまま一気に加速」
「なるほど。太一くんが部長か」
「まあな」
うん。納得。
「裕也~、飲み物買ってこうよ~」
「んなこと言って、まーた俺に買わせる気だろ」
「あは。バレたあ~?」
「いいよ。買ってやる」
「やった!」
ざわめきの中なのに、いきなりそんな会話が、あたしの耳に入ってきた。
裕也?
声のする方へ振り向く。
さっきとは別の意味で、心臓が跳ねた。