急性大好き症候群
「……ところで、その喧嘩はどっちが勝ったの?」

「どっちも負け。喧嘩自体もお互い泣いて強制終了。ついでに火種の女の子からもどっちもフラれたっていう」

「でもさ、太一、それから俺らが喧嘩の総長になったみたいな感じだよな」

「小さい時にそんな喧嘩したから、他の奴びびったんじゃね? 実際、今学校で一番喧嘩強いの俺らだし」

「ちょっと、あんたら、学校で問題起こしてんじゃないでしょうね」

「起こしてません。売られたから買ってあげてるだけだし」

「いや、買うなよ」

「この間、チャラ男達が起こした騒動は首の後ろを打って神経を麻痺させて、全員そこらへんに転がしといた」


なんなんだ、こいつら。


開いた口が塞がらない。


と驚いたけど、よくよく考えてみたら、何ら不思議なことはなかった。


同い年でご近所さんならば当然同じ学校で少なくとも知り合いにはなるし、自分で言うのもなんだけど、あたしの顔は男にするとけっこういい方だから、弘樹もかっこいい方だ。太一もかっこいいから、仲がいいと言われても納得する。


喧嘩も強いとか、このイケメン達、いったい何なんだ。


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