純悪女!?~ドSなアイツの結婚計画~
「とりあえず、お前は昨日も寝てないんだろ? ベッド使っていいから、寝ろ」
そのままズンズンと足を進めて、寝室らしき部屋に辿りつくと、私を押し込む。
その部屋に入った途端、彼の匂いがする。
ずっと緊張していた気持ちが、ほんの少し緩んだのは、その匂いにやられたのかもしれない。
「あっ、あのっ……」
「なんだ? 俺はリビングで寝るから、遠慮するな」
「あ、そうじゃなくて、シャワー貸してください」
「モトイ。少しは遠慮しろ」
何時もより熱めのシャワーを頭からかぶる。
なんで、こんな展開になっているんだろう。
というか……。
桐生さんが私を?
そんな素振り、一度だってなかったのに。嫌われているのかとさえ思っていたのに。
あぁ、やっぱり冗談だ。あの人がまさか。