純悪女!?~ドSなアイツの結婚計画~

「編上げのドレス知ってる?」

「えぇ、私、あれ大好きなんです」


それは、シャンパンベージュの美しいレースとリボンで仕上げられた、アンティーク風のドレス。

胸の下から光沢のあるリボンが編上げのようになっていて、スタイルをよく見せてくれる。



「あれ、最初は本当の編上げだったの。でもね、着替えにすごい手間取るし、どうしても余った布がもたついてしまって。だから、実際はあんまり使われなかったのよ。
でも、桐生さんの一言で、リボンを飾りにしてファスナーに変えたら、大ヒット」

「へぇー。あっ、すいません」


思わず、声が出た。

ドレスの事は、女性のプランナーや、衣装さんの方が熟知しているとばかり思っていた。

けれど、そんなところに気がつくのは、流石なのか、変態なのか……。



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