ラブミー・アゲイン



「……美優、先生と話してくれば?」



不意打ちを食らったような気分だったんだと思う。


一瞬で先生しか見えなくなった私は、爽くんの存在をすっかり見失っていて。


降り積もる、罪悪感。
痛む、良心。



それでもなお、先生にばかり行ってしまう視線を、無理やり爽くんに持っていく。



『でも…っ。』



そんなの、爽くんに悪すぎる。


確かに、私は先生と話したかった。
降り積もる話も、たくさんある。



だけど、だけど、だけど、

きっと今先生と話せば、私は過去から戻れなくなってしまうから。


爽くんを選んだのは、私なのに。

さすがにそれは、できないよ。



< 13 / 29 >

この作品をシェア

pagetop