天神学園高等部の奇怪な面々ⅩⅩ
しかし、そんな言い訳をするバイオリン妹の五所川原を。

「あっ!」

翡翠はムンズと掴み取り、ポイと向こうへ投げ飛ばす。

「ああっ、五所川原君がぁっ」

ウルウルと泣きべそになるバイオリン妹。

「授業に関係のないものを持ち歩くな。俺の授業を嘗めているのか」

ギロリ。

隻眼で、呪い殺すような視線を威掛ける翡翠。

武道を嗜む男子生徒でさえ怯む剣豪の視線である。

バイオリン妹が直視できる筈もなく。

「ふっ…ふぇえぇえぇ…」

あっさりと泣き出してしまう。

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