雨のち晴れ。
story1

出会いは雨の中

ザーーーーー...
その日の雨は、私を嘲笑うかのように
降り続けていた。
「別れよう」
最後の一言が、頭に焼き付いて
離れない。
今、考えてみれば
愛のある行為なんて無かった。

あー、そっか。
私、利用されていたんだ。
どうしてもっと、早くに
気付かなかったんだろう。
こんな別れ方、やだな。

「大丈夫?」
顔を上げると、暗くてよく見えなかったけど
声からして男の人だろう。
「寒いやろ?家おいで」
関西弁だ...
季節は、春に変わる頃。
さすがに、薄着で雨は体に堪える。
「ほら、行くで」
男の人は、私の手を取り歩き出した。


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