紅梅サドン
「どういう意味だよ。雪子さんの事言ってんのか?。」

ルノーは少しアルコールで赤く染まった頬を撫でながら、スラリと樹木みたいに伸びた脚を抱えて窓際に座り込んだ。

「いや、雪子ってさあ、もしかしていつも長袖着てない?

まだ一緒に暮らしてそんなに経ってないから、よくわかんないか。」

ルノーはワインに手を伸ばし窓から外を眺めている。

赤く光るワインの色が外の暗闇に重なって揺れている。

「まあいいや、秋ジイさあ、ワインもうちょっと注いで。」



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