紅梅サドン
艶やかな茶色の髪を揺らしてルノーはケラケラと笑う。

よく見るとルノーの瞳も吸い込まれそうな薄い茶色をしている。

「秋ジイ、村田婆さんのインチキ占いに感謝した方がいいんじゃない?

雪子みたいな尽くす子が来てくれてさあ、早いとこ結婚しちゃえばあ?。」

テーブルの上には赤ワインやチーズ、スナック菓子など様々に並べてある。

「お前、このワインどうしたんだよ。」

「だから土産だよ、秋ジイと雪子に。」

「どっかのお姉ちゃんから頂いたんか。」

「ーーまあね。ところで秋ジイ。“尽くしすぎる女”ってのは結局の所、男にとってはどうなんだろうね。」



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