紅梅サドン
「さあね、どうかなあ。

雪子さんは次郎に気に入られちゃって大変だよね。」

窓は閉まっている。冷房の風が僕達をゆるりと撫でた。

「今日のハンバーグちょっと焦げてますね。美味しくないですか?。」

雪子は僕の顔を心配そうに覗き込んだ。

「ううん、美味しいよ。僕はちょっと固めのハンバーグが好きだから、ちょうどいいよ。」

雪子は安心した様に微笑んでいる。

雪子は今日も薄手ではあるが、長袖のブラウスを着ている。

僕が目にした腕のアザを気にしているのだろうか。



< 173 / 311 >

この作品をシェア

pagetop