紅梅サドン
僕は正直、昨晩の雪子の告白めいた言葉が少しだけ嬉しかった。

僕の心にはまだ真澄がいるーー。

別れて一年経っても、真澄を忘れる事はやっぱりまだ僕には出来ない。

だから雪子への恋愛感情では無い、とは思う。

でも素直に嬉しかった。



その日も蒸し暑い夜が続いた。

雪子と二人で夕食を囲む日々にも慣れてきている。

「次郎君の友達も、みんなきっといい子達なんでしょうね」



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