紅梅サドン
二時間後ーールノーと次郎が雪子達を見送った後、東京駅から戻って来た。

午後の光の中、僕は冷房の直ぐ下に座り込んで様々な事を思い返していた。


「秋ジイーー冷房の下貸してえ。

暑いなんてもんじゃ無かったよお。」

ルノーも次郎もヘトヘトになっているようだった。

「おう、お疲れ様。座れよーー。」

壊れかけた冷房の下に三人並んで座り込んだ。


右からルノー、僕、次郎の順番で横一列に座る。

僕達の頭の上に仲良く冷房の風がフワリと当たって、それぞれの髪の毛を微かに揺らした。

窓から刺す太陽は少しづつ雲に隠れている。

その曇り空は、部屋を暗くて静かな色に変えて行く。



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