紅梅サドン
「田辺君ーー襖の上ん所が開いてて繋がってるとはいえ、僕と雪ちゃんの部屋は夜はかなり暑いんだぞ。

扇風機だけじゃなくて、僕達の部屋にもクーラー付けてよ」

次郎がそう言葉をこぼした。

「次郎ーーー。

お前、後二週間くらいでシスターのいる施設に戻るんだよなーー。」

「うん。夏休みが終わるからね。学校も塾も始まるし。

夏期講習サボったからなあ、塾に付いて行けるかな。

ま、僕は元から頭の根本が良いので問題無いけどねーー」

次郎は偉そうに鼻を鳴らして言うと、左隣に座る僕に、わざわざ小さな中指を折っ立てた。

「次郎さあ、俺が次郎と二人で住む部屋見つけるのーーー止めろって言うんだ。

このままでいいってーー。」

ルノーは右隣に座る僕に、そうポツリとこぼした。



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