白球を追いかけて


一通り話した後、俺の話もした。



そしたら大地は知ってるって答えた。


聡美から聞いたって。


いつの間に…



「常にあんなふてくされた顔してたら、誰だって気になるっつーの。」



大地の笑顔がみれてよかったと思う。


自分の過去を話してる大地は、悲しい寂しい目をしてた。



「人間ってたくさん裏があるんだ。それは良いものか悪いものかは分からないけど、信じてみる価値はあると思うよ。」



そうだな…

そうかもな。



なんだか自分がバカらしくなってきた。



「紅白戦、頑張ろうな…」


俺は弱々しく言った。



「おう!そんな弱々しくなんなよ。俺らは甲子園に行くんだぜ!?」



「そうだな。俺は調子悪いからフォローよろしくな。」


「当たり前!!」



それから少し雑談をして帰った。
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