アイ･ラブ･おデブ【完結】

自分のデスクで持参した弁当を食べていると後ろから声をかけられた

「お～！美味そうじゃん！
作ったの～？
うちの嫁さんもこんなの持たせてくれたら…新しい服を買ったって文句も言わないのにな！」

「そうだよね～あんたのとこは着せかえお嬢だからね～！
愛妻弁当なんて夢の夢だねえ～
バァッハハ～」

などと小夜の弁当を中心に話が盛り上がる

「これ…詰めてきただけ…なんです…」

と遠慮がちに告白するも笑いの渦にかき消されてしまう

新しい仕事場は笑いに溢れ、明るい雰囲気の中でスタートした

仕事が終われば皆、真っ直ぐに帰宅する

それぞれの家庭では帰りを待つ人がいる…仕事も家庭も大切にしている人ばかりだ

小夜も真っ直ぐ帰り、暗い部屋の明かりも暖房も自分でつけなくてはいけない…

今までは当たり前にやっていたことが少し寂しく感じる