アイ・ラブ・おデブ【完結】
「小夜さん…俺も納得できる答えを聞くまで、引き下がるつもりはないよ
店のこともそうだけど…
小夜さんの手を勝手に離したことを許さない
アイツがきちんと説明するまで監禁してやる!」

洗っていた泡立て器を突き出し、見えない敵を威嚇した

…そうだよ…ハル…みんなに心配をかけているよ
みんなが待っている…

「小夜ちゃん!いらっしゃい!
俺に会いにきたの~?
ねえねぇ、カフェアートの種類を増やしたよ!
飲んでいってよ」

調理場に顔を出したコウが、小夜の腕を引っ張ってエスプレッソマシーンの前へと連れていく

蒸気の吹き出る威勢のよい音をさせ、器用にマシンを操る

手際よくコウが完成させたのは、白い泡に描かれた"カエル"と"花びら"だった

「桜とカエルで"ハル帰る"だよ
みんなの気持ちがハルさんに届くように…
これ、小夜ちゃんが飲んじゃって!」

いつもの無邪気な笑顔でカップを小夜の前に置いた

「…うん…ありがとう」

両手で包むように持ち、口にすると体がじんわりと暖まって気持ちが解れていく

…そうだね…一人じゃないんだ
みんながハルが戻ってくるのを待っている…
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