アイ・ラブ・おデブ【完結】
…いつもこの場所に遠慮がちに座っていた
あのカップでカフェオレを飲んでたな…
お化けが怖いくせに夜中にホラー映画を見て震えていた…
最初から最後までずっと僕の手を握りながら…

職場が離れてしまっていた間は必ず週末に来てくれた…
なんて幸せな日々だったんだ!
もう二度と手に入らない夢のような時間…

ふと思い浮かぶのは楽しい思い出ばかりだ
いつも自分の隣ではにかむように笑っていた

自分に自信のなかった君が少しずつ輝きを増して美しくなっていく…

誰の目にも触れさせたくない…ずっと僕の中に閉じ込めてしまいたい程に綺麗に花開いた

…駄目だ…あの笑顔を泣き顔にするのは僕だ…

今は感傷に浸っている場合ではない

機械的に作業をしなければ…

あらゆる感情を心の奥底に閉じ込めて目の前の段ボール箱と格闘した
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