アイ・ラブ・おデブ【完結】
「それは…どうしてなのかは…
自分でも…分かりません…」

そう言ったきり、俯いて口を閉ざしてしまった

「ちょっと!それじゃあ分からないじゃないの!
直ぐにでも渡してよ!
あんたが渡せないなら…」

「山岡さん!待って…
少し落ち着きましょうか
きっと…ミーシャさんにも事情というか…考えがあるのでしょう」

興奮した由美子をベンチに座らせ、慎太郎は微笑みかけた

「さて…これからどうするのか…
暫くは…本業もレストラン経営の方も難しい…
そうなると…世間の関心が薄れるまで身を潜める…とか?
笹原さんと…海外にでも行くかな?
その時期は…食中毒の件に目処が立ってから…
ここまで執着しているのだから…当然手放す筈がない…」

腕を組んで今にも降りだしそうな空を見上げ、独り言のように慎太郎が呟いた
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