アイ・ラブ・おデブ【完結】
「…分かっています
僕が酷いことをしたのを…
守っているつもりで一番傷つけたのは…この僕だ
けれど…小夜に謝らなければ…後悔する…今以上に…
だから…この通りだ!」

額も地面に擦り付け、背の高い体を丸めて慎太郎に懇願した

「自分勝手な人ですね
ご自分が後悔しないために謝るんですか?
小夜さんの苦しみは理解しておられない…
笑って暮らすためにどれだけの涙を流されたのか…
もう…小夜さんにとって笹原さんは過去の人なんです
今さら謝られても…」

車に寄りかかったまま腕を組み、土下座をしている遥を見下ろした

長身を丸め、その手は固く握られている

慎太郎の突き放す言葉に肩を震わせ、黙って聞いていたが突然大声で叫んだ

「思い出になんてなっていない!!
小夜の胸には僕の…指輪があったんだ!
お願いだ!小夜がいる場所を教えてくれ!」

最後には再び地面に額を擦り付けて懇願した

「ふっ…教える筈がありませんよ
これからは私が彼女を守っていきます
彼女もそう望むでしょう
さあ…お引き取りください
どうぞお好きな自転車の旅を続けてください
春を迎えた北の大地にはまだまだ美味しい食べ物がありますよ」

遥とは対称的な余裕の表情で慎太郎は幕を引いた

寄りかかっていた後部座席のドアから離れ、運転席へと歩きだした
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