アイ・ラブ・おデブ【完結】
陽気な仲間たち…part4
徹夜明けでは自転車に乗る自信もなく、断ってもついてきた遥と一緒に満員電車に揺られた

その間ずっと握られた左手には、昨夜から外すことなくあのリングが輝いている

会社の入り口でやっと繋いだ手を離し、別々の時間を過ごすことになった

もう少しで会社の中まで入って来ようとするのを、なんとか説得して手を離してもらったのだ

早い時間に出社したので稲本に会えると期待したが、他の清掃員にしか会えなかった

昼休みも最近の習慣なら、柏木が総務部のフロアに来てくれるのだが、それも見当たらない

仕方がなく一人で行った食堂では、まとわりつく女子社員の視線が背中に突き刺さる

…はぁ~…まだ注目されてるんだ…
勘弁してよ…

居心地の悪い空気に耐えきれず、目の前のカレーライスを流し込むように食べた

一秒でも早く席を立とうとした小夜の前に注目の一因…ディーノが呑気に現れた

「オ~ゥ!サヤ!君に会えるなんてラッキーだ!
…テレビで見たよ…
ライバルがあんな有名人なんて!
でも、僕は諦めません!」

口を拭いていた小夜の左手を掴み、今日もラテンのノリで口説いてきた
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