アイ・ラブ・おデブ【完結】
信じる人たち
その日、朝一で訪れた来客を入り口まで見送った帰りだった

着いたエレベーターに乗ろうとしたところでデカイ塊が勢いよく飛び出してきた

…こんなデカイのアイツしかいない
危ねえ…ぶつかったら吹っ飛ぶぞ…前を見ろ!…前を!
ん?バッグなんか持って…

「平野?早退か?」

小夜は顔も上げず、何も答えずに走って行ってしまった

「あっ!おいっ!」

柏木の声も聞こえていなかった

…何なんだ?具合悪いんじゃないのか?

今、すれ違った友人の事が気になった


昼休みの食堂に柏木はいた

柏木の周りでも他のテーブルでも同じ話題でもちきりだ

「おい!聞いたか?
こないだの情報漏洩の犯人!
営業のあのデブ女だって!!」
< 220 / 1,499 >

この作品をシェア

pagetop