アイ・ラブ・おデブ【完結】
水から上げられた鯉は体をくねらせ、もがいているが由美子の手からは逃げられない

まるで漁船から市場へ運ぶ漁師のように魚を捕らえてはバケツの中に入れていく

周りの男子が同じように捕まえようとしても、するりと逃げられてしまう

どんなコツがあるのか由美子は殆どの大物を一人で捕らえた

残りの可愛らしい小魚は網で男子が追いかけ回している

自分の役割は終わったとばかりに、由美子は小夜が立っている池の脇に腰を下ろした

「もっと水を抜けば捕まえられるよ…」

と独り言のように呟き小夜に笑いかけた

「あんた大丈夫かい?
そんなに色白で焼けたら赤くなちゃうよ!」

と心配をしてくれた
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