アイ・ラブ・おデブ【完結】
水溜まりに一番近くにいたから、全身が濡れるのを覚悟し顔を背けた

周りの人達の運転手に向けた非難の声を聞きながら、自分の被害状況を確認する

あの水音からするとかなりのずぶ濡れ具合だろうと恐る恐る目を開けるが、先ほどと変わりなくスカートもジャケットも乾いていた

ふと視線を上げると、すぐ傍で道路に向けて傘が開いている

その傘が水溜まりから守ってくれていた

助かったとその傘の持ち主を見ると、滝修業のように全身がずぶ濡れだ…それがヒロくんだった

すぐに謝りお礼を言おうとしたけれど、そのずぶ濡れ具合はあまりにもひどく思わず笑ってしまった

前髪から水が滴り、シャツは体にピタッと貼り付いて透けている

手にしている分厚い本も濡れてしまった

そして、頭には大きな枯れ葉が二枚乗っていて、垂れ耳の犬のようだった
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