アイ・ラブ・おデブ【完結】
その後、止まったバスに乗客達は吸い込まれるように乗ったが、二人は乗らなかった

濡れた仔犬をほっとけなかったし、仔犬はびちょびちょで乗れなかった

「少し濡れ過ぎているから着替えに戻った方がいいわよ」

優しく諭すように話しかけながら、頭に付いた葉っぱを取った

ハンカチで顔を拭き、少し困った表情でボソボソと話し始めた

「今日は友達のとこで飲み明かして…
朝から…ソイツの彼女がやってきて…追い出されたとこなんだ…」


…あらあら、朝からなんてついてない人なの…
…私のために濡れてしまったんだし…

「じゃあ着いてきて…」

気がつくとそんな台詞が自然に出ていた
< 87 / 1,499 >

この作品をシェア

pagetop