ヴァムピーラ
「お前は、大丈夫だから」
そうやって、言い聞かせる心地よい声に催眠をかけられたように、私は抵抗する気を失っていた。
頭の圧迫感が取り払われ、再び金糸の髪が夜風になびいた。
それを、そっと撫でるリキの手。
「な、大丈夫だろ?」
「・・・・・・」
どきどきと、動悸が止まらない。落ち着かせるように髪を撫でるリキの手に、余計その動悸が大きくなる。
「綺麗な髪だな」
「・・・ありがとう」
「なんだ、素直なとこもあるんじゃねぇか」
銀色の髪が、月の光を浴びてきらきらと煌いている。その幻想的な光景が、私の目に焼きついた。
撮りたい。この綺麗な人を。
「そんな可愛い顔でみつめられたら、困るんだけど」
この、自然の最高傑作のような人の、最高の一瞬を、私の手で撮ってみたい。