ヴァムピーラ

 そんな私の様子に気づいたのか、河島さんがにっこりと笑ってくれた。

「大丈夫。カノンちゃんの思うように撮れば良い」
「・・・はい」

 それができるかどうか、わからない。でも――・・・、

「よろしくな、カノン」

 そうやって、銀の光を纏ったリキが私の前に立ったとき、銀の月のような存在感を放って私に向かったとき、私はこの人を撮りたいと思った。
 その瞬間、世界がリキとカメラを構えた私だけになる。ぴりぴりとした緊張感をまとった異世界に、私達が迷い込む。

「リキ、私に貴方が撮れるかな?貴方の最高の一瞬を」

 私の言葉に、リキは不敵に笑いながら、

「お前にしか撮れねぇよ、俺の最高の一瞬は」

 そう言ってポーズを決める彼と、カメラを構える私。
 ブルーシルバーの瞳と、ファインダー越しの紫の瞳がぶつかり合う。




 私がこの手で留めるのは、
  最高の見た目を持つ男の、
   最愛の吸血鬼の、最高の一瞬。






fin
< 95 / 95 >

ひとこと感想を投票しよう!

あなたはこの作品を・・・

と評価しました。
すべての感想数:7

この作品の感想を3つまで選択できます。

  • 処理中にエラーが発生したためひとこと感想を投票できません。
  • 投票する

この作家の他の作品

ヴァージン=ロード

総文字数/62,849

恋愛(純愛)139ページ

表紙を見る 表紙を閉じる
胸の奥に潜む炎 燻り続ける情熱 真っ直ぐに歩くのは私のランウェイ これが、私の歩く道 * * * ヴァージン=ロード * * * きっと、結婚なんて、しない。 2013.12.21-2014.02.03
似非恋愛 +えせらぶ+

総文字数/100,340

恋愛(オフィスラブ)243ページ

表紙を見る 表紙を閉じる
好きだった。 言葉にしたことはなかったけれど、 ずっと好きだった。 だけど、貴方は私の目の前からいなくなった。 時は過ぎて、大人になった。 仕事を覚えて、酒も覚えて、男も覚えた。 そんなときに、貴方は帰ってきた。 「慰めてやるよ」 それが、私達の恋愛ごっこの始まり。 ****** 似非恋愛 +えせらぶ+ ****** 幼馴染大人恋愛 START:2012.09.18 RESTART:2015.11.24~2016.02.29 ※注意書き※ 後半かなり駆け足で完結させたため今後加筆修正が入る可能性があります。 (今回のコンテスト完了後になる予定です) 大変申し訳ございませんが、ご認識のほどよろしくお願いいたします ※※※※※※
マスカケ線に願いを

総文字数/160,261

恋愛(オフィスラブ)261ページ

表紙を見る 表紙を閉じる
自我が強い司法書士 大河原杏奈 x 蓬柚紀 若きエリート弁護士 「俺には杏奈が必要だぞ」 「でも、私にユズは必要ないんでしょ?」 読んだら恋をしたくなる ――大人の恋愛物語―― 頑なな心を、六法全書で攻略せよ!? 執筆期間:2009.7.3~2010.6.30 2012.06.25 Berry's Cafe シークレットラブ特集 2012.07.03 総合ランキング1位! *ありがとうございます(感涙)*

この作品を見ている人にオススメ

読み込み中…

この作品をシェア

pagetop