一般人になるまで
そうこう考えている間に、腕を握りしめられ痛いし、拓人が引っ張るので全身メリメリいってるし、でも病院に佳奈を連れて行けば、テンションが上がり口が滑って自殺趣味がバレてしまうかもしれない
頭で否定と否定を繰り返し悩んでいる最中、横で、え、行きたいの?いいよ、本当!?ありがとう!!という会話が繰り広げられているのを 由紀はまだ気付いていない


「ってアレ?ここ何処?」

しばらくして、ふと周りを見渡せば既に外
由紀は悩み過ぎで、周りを全くみておらず、外を歩いていることすら分かっていかなった
気付けば、左に拓人、右に佳奈とサンドイッチ状態で歩道を歩いていた

由紀の意識が飛んでいた時間に、二人はすっかりうちとけたようで、佳奈、拓人くんと呼び合いながら、昨日のテレビの話をしている

もう目の前には、大きな総合病院がそびえ立っている



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