2番目でいいから【完結】

思いもしない提案

桜井 智恵子から、思ってもいなかった提案をされた。

智恵子は、僕のカノジョで、僕が1番大切にしたいと思ってる女の子だ。
初めて、自分で口説いた女の子でもある。

その智恵子が「私以外の女の子とつきあうか、私以外の女の子を抱いて。」というとんでもない事を言い出した。

僕の心臓は、一瞬止まるんじゃないかと思った。
智恵子に、見離された?
「ち~は、僕のことを、嫌いになったのか?」
きっと、この時の僕の声は弱弱しかったと思う。

「ううん。ふゆ君のことを嫌いになったりしてないよ。」と智恵子は言った。
「じゃあ、なんでそんなことを言う?」と尋ねると「私、しょっちゅう、怪我するでしょ?」と智恵子が言った。

確かに、智恵子は僕とつき合い始めてから、「僕のカノジョ」という事で、性質の悪いイジメにあっていた。
それこそ、初めは、イジメにあってることすら、智恵子は僕に隠していた。
それを見かねた智恵子の親友が、僕に智恵子に内緒で教えてくれた。
それがなければ、今だって智恵子がそのイジメに苦しんでいることに、気がついてなかったかもしれない。

「それが、どうした?」と言うと「怪我ばっかりでね、あんまりカノジョらしい事してないなって思ったの。」と智恵子は寂しそうに笑う。
そして、「だから、ちゃんとカノジョらしい事できる子を見つけてほしい。」と言いながら、智恵子は俯いた。
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