2番目でいいから【完結】

智恵子からの電話

美和からの要求を断ってから、しばらく、美和との接触を絶った。

このままでは、お互いに良くないと思った。
そろそろ、この関係を終了した方がいいと思った。

ただそれには、智恵子の承諾も必要になる。
それに、智恵子へのイジメの話もしなければならなくなるかもしれない。

そう考えると、いつ頃がいいのか結論が、出せなかった。

でも、こうして美和との接触をいつまでも避けているわけにもいかない。
久々に、美和を誘った。

美和は、嬉しそうにしながらも、「寂しかったですよ。」と言った。
「悪い」と僕は答えた。

そして、久しぶりに、美和を抱いた。

情事後、美和と約束してから、遊びの女を抱いてないし、智恵子も抱いてないから、久しぶりに、女を抱いたと思った。

そんな時、僕の携帯が、電話の着信を知らせた。
どうせ、友人だろうと思って、美和の肩を抱きながら、携帯を取り上げた。
相手は、智恵子だった。

僕は、ベッドの上に起き上がった。
智恵子が、こんな時間に電話してくることに、悪い予感がした。

でも、声に出さないようにして、「ち~。どうした?」と言うと「明日の約束を守れなくなちゃった。ごめんね。」と智恵子は言った。
そんな事が言いたくて、電話してきたんじゃないことぐらいわかってる。
「ち~。どうしたんだ?いいから、言え。」と言っても、智恵子は「約束ごめんね。」しか言わない。

「約束なんていいから。」
「そんな事言いたくて、電話してきたのか?」
「そうじゃないだろう?」と僕は言った。

そして、「いいか。すぐに、そこに行くから。」
「動かないでそこにいろよ。」と言って電話を切った。

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