大好きなアナタと、気になるアイツ【番外編更新中】
その場の雰囲気に流されて口づけを交わしたのち、志水の変化に気がついた。

「ど、どうかしましたか?」

先程までは星空を眺めて笑顔だった彼女の顔に涙が溢れている。

「ご、ごめんなさい。」

彼女は涙を手で拭うと剛に頭を下げてきた。

「私、好きな人がいるんです。……つい今まではそれが先生だと思っていました。」

「でも、キスされて……違ったんです。他の人の顔が頭に浮かんで……。ごめんなさい。」

由香里はただひたすら謝って、そして泣いていた。

「誰ですか?と、聞いてもいいですか?」

剛には納得がいかなかった。

確かに彼女は、自分に……『木崎』に好意を寄せているはずなのだ。

「会社の……同僚です。仕事を一緒にやったのはつい最近ですが、今好きなのは彼なんです。」

一瞬頭に浮かんだのは誠だった。

しかし、同僚と言うのとは違う。

そうなると相手は1人だった。

……綾瀬だ。

剛は正体をバラスことなく彼女に振られてしまった。
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