大好きなアナタと、気になるアイツ【番外編更新中】
「おや、何を怒っているんですか?」

木崎は軽く口の端を上げると彼女に手を差し出す。

「大丈夫、今からドレスを買いに行きますから。」

「でも、ご飯を食べに行くだけで洋服を買うなんて……着替えてきましょうか?」

まさか彼が洋服を買うと言うとは思わなかった由香里は、怒っていた事も忘れて、既に歩き出そうとした木崎を慌てて止めた。

ここからなら、由香里の家まで往復しても30分。

ドレスと言えば先日のパーティーの物がクローゼットに入ったままなのだ。

てっきりレンタルだと思っていたら、そのまま西園寺に持って帰るように言われてしまいどうする事も出来ずにそのままになっている。

「食事代がタダですから、それくらいはね。」

木崎はパチッとウィンクをして由香里の手を強く握った。

何を言っても無駄らしい。

「じゃあ……。」

由香里はズルズルと木崎に引きずられるようにしてホテルのエントランスをくぐるのだった。
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