シーソーが揺れてる
「バスかー。合唱の練習はしょうがないけど、めんどくさいんだよなあ」
そんな独り言を言いながら広美はベランダから部屋に上がった。
リビングに戻ると、ソファーではまだ春香がすうすうと寝息をたてながら眠っているようだった。
「よかった」
広美は小声で囁くと、音をたてないようにそーっとフロアを歩いていつも春香が寝ているベッドに向かった。そしてタオルケットを手にソファーまで戻ると、それをふわっと春香の体にかけてあげた。
「よし、これでだいじょうぶ、なはず」
そう言うと広美も冷蔵庫近くのフロアに布団を敷いて眠りについた。
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