シーソーが揺れてる
「こんな早くに何?」心の中で呟きながら春香は携帯を開いた。
「えっ、・・・?」
「片山良太」と書かれた差出人の名前に、春香は一瞬驚いてどきっとなった。
「何でこんな時間に片山くんから?」
頭の中に疑問符をちらつかせながら春香はメールを読む。
「おはようございます。
今日は楽しんできてくださいね。僕の分まで(笑)。先輩をよろしくおねがいします」
「えーっ?どういうこと?」
メールを読んだ春香は、つい今思ったことを声に出してしまった。
「えっ何が?」
そんな春香の声に広美ははっと問いかけた。
「いや、何でも無い」
春香は携帯を閉じた。
「そう」
と答えた広美はまだ納得がいかないようだ。広美はさらに踏み込んでみようと唇を開きかけたが辞めた。
「あまり踏み込むとまた春ちゃんがパニックになりそうだから」そう思ったのだ。
二人はそれからテレビのニュースを見ながら朝食にトーストを食べた。そして8時半過ぎ、
「じゃっ、行ってくるねえ」
と言って広美は出かけて行った。
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