シーソーが揺れてる
荷物を背負い込むと、二人は揃って公園を出た。そして公園前のバス停で二人は分かれた。
「片山くんは先輩思いなのねえ。そうやって慕ってくれる後輩が居て、直人もほんとよかったと思う。まっちょっと変わったやつだとは思うけど、できる限り仲良くつきあってあげて」
元来た道をたどる良太の耳に、別れ際の春香の言葉が焼き付いていた。
その時の彼女の目がとても幸せそうに見えたのも、良太の気のせいだろうか。今更ながら胸が痛くなった。
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