シーソーが揺れてる
彼らは2列に並んでみんな同じ帽子を被っている。どうやらどこかの幼稚園か保育園の集団が公園にお散歩にでも来たのだろう。そんな光景を春香はぼんやりと見つめていた。
「明日来る?」
子供たちの声や靴音に混じって直人が来聞くのが聞こえた。
「明日は行く」
自信を持って春香はそう断言した。
「じゃあよかった。明日この前言ってた男連れてくるから」
「そう、分かった」
春香の返事を聞くと、直人はベンチからすっと立ち上がった。そして、楽しそうに走り回る子供たちの影に消えた。
< 30 / 284 >

この作品をシェア

pagetop