シーソーが揺れてる

「あーお腹空いたー!ねえ夕飯どうする?」
合唱の練習が終わって外に出ると、広美は興奮気味に叫んだ。
「えー?私何でもいい」
広美の後ろを歩く春香は冷めた返事を返した。
「春ちゃんお腹空いてないの?」
「まあ少しは空いてるけど・・・」
「そうだ、ラーメンなんてどう?」
遠くの方で揺れてる灯りを見て広美は言った。
「らーめんねえ」
「あー春ちゃん昨日牛丼食べに行ったんだったねえ。二日間外食じゃきついかー」
「まあ広美が食べたいならべつにそれでも・・・」
「分かった。私奢るから」
春香の声を聞くより先に広美は明かりの方へと走り出した。
< 73 / 284 >

この作品をシェア

pagetop