シーソーが揺れてる
「自分を輝かせてくれる物、かな。自分だけじゃなくて周りの人も。だって私高校の時の春ちゃんを見てこっちまできらきらした気持ちになったもん。私にも夢があったんだって。今行ってる学校に行こうと思ったのもじつは春ちゃんのおかげだったんだよ」
「えっそうだったの?」
「うん!」
「そっかー」
その時春香の胸がかすかにぽっと暑くなったような気がした。
今私は夢に向かう広美を見ている。高校の時の自分を見て広美が感じたきらきらって・・・?頭の中で春香がひっしに思いを巡らせていると、
「そろそろだよ」
広美が春香の肩をぽんと強く叩いた。
「あっ、うん」
春香は慌てて鞄を背負い込んだ。
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