桜の道しるべ
「じゃあさ、一緒に勉強しようよ。分からないところは僕が教えてあげるから。」
「え、いいの?」
そりゃ、驚くよね。ただ、友達にそんなこと言われても・・・・・・。
「うん。勉強するなら日曜日からでどうかな?日曜日なら僕の家朝から誰も居ないから。時間は佐久間に任せるよ。」
「うん。私ね、分からないとこだらけだから10時ごろからでもいいかな?」
「もちろん。じゃあ、9時30分にここ桜ヶ丘中学前集合にしよう。僕の家、ここからちょっと歩いたところだから。」
って、誘ってしまった。別に特別な感情がないにしても何か違和感を感じる。まぁいいか。
「うん!若宮君、日曜日はよろしくお願いします。」
佐久間はいつもの向日葵のような笑顔で僕に言った。ドキンッ。まただ、でも何でかは分からない。
僕は胸の高鳴りを隠すかのようにいつものように佐久間に微笑みかけた。

その後も授業中、僕の胸の高鳴りは鳴り止まなかった。いつもなら、すぐに止まるのに・・・・。今日の僕は少しおかしい。
というか、ここまできたら胸の高鳴りの理由が分からなくも無い気がする。でも、それを今知ったとしても何の意味も無い。そうきっと佐久間は違うから。



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