トーク！

……恐る恐る聞いたあたしの言葉に、新杉さんはにっこりと首を振った。


その笑顔は優しくて穏やかで、あたしの理想そのものなんだけど、


「六花ちゃんの話聞いてるの面白いよ。もっと聞きたい」

「……はい」


それが少しだけ寂しい。


相槌はうってくれるし、よく笑ってくれる。
けど、あんまり自分のことは話してくれないから寂しくなる。


言葉で伝えてくれないから、実際あたしのことどう思ってんのかよく分かんない。
いつも、あたしが一方的に喋ってるだけで、新杉さんはあんま自分のことを喋ってくれない。


そりゃあ、あたしの方が好きで付き合いはじめたわけだし。
今だって絶対あたしの方が好きだし？


これくらいの不安、初めからわかってたことだった。