逃げる女
着いた先は、見た感じBARのようなお店で私は首を傾げる。

お酒は飲まないんじゃないの?



『ここ知り合いがバイトしてる店なんだ。入って。』



中へ入ると少し想像よりも明るい照明でホッとする。

カウンター付近は少しムードのある感じではあるけれど。


奥の方に3台のビリヤード台が設置されていて、ここへ来た目的を理解した。


「もしかしてビリヤード??」


『そう。やったことある?』


私は首を横に振った。


大志君は知り合いと思われる人と話をして、使う道具を持って来た。


『出来るようになったらきっと面白いよ!』


そういいながら手際よく球を台の上へ置き準備を始めた。


そして、ビリヤードで使う棒を渡される。


『やりながら説明するから、まずは見てて。』


そういって構える大志君の姿は悔しいくらい絵になっていた。


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