逃げる女
連れてかれたのは駅前の居酒屋。


『あ!もうみんな来てるみたい。』


そして1つのテーブルへと近付く泉美。


その方向をぼんやりと見る。


男4人に女3人がすでに向かい合わせて座っている。



ん?私と泉美を足すと女は5人。なのに男は4人?


1人足りなくない?
まあ、私としてはその方がいいか。



『あと1人少し遅れて来るから。先に始めようか。』

そういう1人の男。
別にいなくても良かったのに。
気分の乗らない合コンてつまらないな。


自己紹介も、乾杯も全てが阿呆らしく見えてくる。


『あ!来た来た!遅せーよ。たけし!』



1人の男が手をあげ大声で呼ぶ。


私も泉美も固まってしまった。



だって…



遅れてやってきた男が…昨日まで私の彼氏だった男だなんて、普通はないでしょう?



武志も私を見て固まったのがわかった。






やっぱり合コンなんて来なければよかった。


心底ここに来てしまった事を後悔した。
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