逃げる女

痛み

次の日大学へ向かい、講堂へ向かう。



広い講堂を見渡すと、泉美が一人座っているのを見つけてそこへ向かった。



「おはよ!昨日は心配かけてごめんね。」


『美里!もう平気なの?』


「うん。本当ごめんね…」


隣に座り鞄をおろす。



『私こそ、ごめん。まさか武志があの場にいるなんて思ってなかったから…』


「わかってるよ。それより上坂君とはどうなの?うまくいきそう?」


ノートを出しながら問い掛けると、泉美は少しはにかんだ顔で頷いた。



『あれから何回かメールとかしてて。今日ふたりで遊びに行くんだ!』


「やったじゃん!付き合えるといいね!」



『うん!』



そろそろ講義が始まる時間なのに…



「…充は?来てないの?」



『そういえば見かけないね。昨日、美里の家に行かなかった?その時何か言ってなかったの?』



「家に来て話してすぐに帰ったけど、その時何も言ってなかったな…寝坊かな?」


『有り得るよね。』


まさか、避けられたりしてないよね?
単なる寝坊だよね?
< 176 / 197 >

この作品をシェア

pagetop