逃げる女
私はまた勘違いしていたみたいだ。


友達でいれば…私の気持ちさえ隠していれば、今まで通り充の側にいられるって思ってた。


でも…それは…充に彼女が出来るまでの話だ。


当然彼女が出来れば、今まで通り2人で会うことなんて出来なくなる事に、なんで気付かなかったんだろう。





「ごめ…なさいッ…もう…会わないから…」



ごめんね。



不安にさせてごめんね?


充の側をうろついてて迷惑だったよね。


充…ようやく出来た彼女を誤解させてしまったみたいで…ごめんね…


「―ッ!!」



私はこれ以上ここにいてはいけないんだ。


そう思ってその場から走って逃げ出した。
< 185 / 197 >

この作品をシェア

pagetop