キリと悪魔の千年回廊 (りお様/イラスト)
つないでいた手を離して、

ぺたんと、王子様はしりもちをつきました。


白い、白い、霧の中……


「たすけて!」

目の前で、王子様と同じ五、六歳くらいの幼い女の子が悲鳴を上げます。

王子様は、お尻の下からはい上ってくる石の床の冷たさを感じながら、
たった今まで手をつないで霧の中を歩いていたその女の子を見つめました。



無数の白い腕が、
幼い少女の全身にからみついておりました。



若い女の人のもののような、いくつものなまめかしい白い手。



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