先生へ -君に詠む愛の歌-
「あ、あの・・・
 先生・・・。」


「大丈夫だよ。
 俺たちは
 教師と生徒だ。
 時間はたくさんある。
 もしこのまま
 君の記憶が戻らなかった
 として、それでも
 また君が俺を
 好きになってくれたら
 その時は、付き合おう。
 ただ、俺は君を、
 柚那を想う気持ちだけは
 きちんと伝えておきた
 かったんだ。」


「先生・・・。」


先生が私に近寄ってきた。


先生の顔が近づく・・・。



なんの抵抗もなく


目をつぶってしまった。


そっとおでこ触れるか触れないかの


キスをされた。


そして優しく抱きしめられた。


「先生・・・///」


「ん?」


「・・・あの・・・。」


「何?言ってごらん。
 どうしたんだ??」


イイ声で優しく聞かれる。


すごく心地のいい


甘い声・・・。


「・・・言ってることと
 やってることが違います///」


思わずテレ隠しに言ってしまった。


「あぁ!ご、ごめん!///」



先生はあわてて私から離れた。


そして2人で笑った。


なんだかわかる。


私がこの人を好きだったってことが・・・。


とても癒される・・・。


「あ、先生。」


「ん?どうした??」


「先生の名前、教えて下さい。」


「あ!まだ言ってなかったか?!
 貴臣だよ。」

「ちがいます・・・苗字・・・。」


あぁそっかって言って先生は


『壬生貴臣です。
 今日からよろしくお願いします。』


と、手を出してきた。

『こちらこそ!』

って答えて、思わず握手してしまった。


そしてまた2人で笑った。




 
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