先生へ -君に詠む愛の歌-

卒業

「おはよう柚那♪」


「おはよう佳央・・」


今日で佳央と

登校するのも最後になる。


いつもと同じ朝なのに

少し感傷的になってしまう。


「まだ泣くのは早いよ?(笑)」


「そうだね(笑)」


「じゃあ行こっか♪」




いつもと同じ道。



いつもと同じ駅。



いつもと同じ電車。




いつもより言葉少なめに


一つ一つを思い出として


刻んでいく・・・




今日で最後。



正門を通って


少しだけ咲きかけた


桜の木が目に入った。



「少しだけ咲きかけてるね。」



「うん。入学式の時には
 満開だったよね。」



そして私達は教室に向かった。

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