先生へ -君に詠む愛の歌-
この教室に入るのも最後。


すべてのことが


一つ一つ愛おしく感じる。




そしてこの学校には


あのイイ声だけが足りない。




卒業式には来てくれるって


言ってたけど・・・



何か少しだけ寂しく感じる。




ひょっこり職員室から


出てくるんじゃないかって


錯覚すらしてしまいそうになる。




卒業すれば貴臣さんと


ずっと一緒にいることができる


その喜びの気持ちと


佳央との楽しかった学生生活が


終わるという寂しさが入り混じって



なんとも言えない気分になる。


「柚那、そろそろ行かないと。」


「あ、うん。そうだね。」



私たちは体育館に向かった。


卒業生として入場する。


送られる側として・・・



もうすでになんか


泣きそうだよ・・・
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