桜雪(仮)



「まぁそれが普通の反応よね…。」



「いやいやいやっ!!おばあちゃんが普通じゃないんだって!!」



「……それはばあちゃんも分かってるわよ…。」


おばあちゃんはこめかみを押さえながらあたしに一つの巻物とファイルを差し出してきた。



「これは?」


「闇怨の刻(アンエンノコク)その期間に流行った病、黒斑死病(コクフシビョウ)、彩菜も知ってる?」


「うん…。」



闇怨の刻と黒斑死病はどの史実にも歴史書にも記されていない…。


誰かが故意に消した日本の歴史。



しかしあたし逹真神家にはそれらに関わる資料が僅かながらに残されていた。



あたしは貴重な物だから、と言って読ませてもらった事が無かったわけで。


なんとなく、爺ちゃんと父さんから聞いた事しか知らない。



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